3/11/2013

学位留学と人生設計

海外の理系の大学院に行くというのは人生における投資であり、投資したお金と時間などに見合った対価を得られなければすべきではないと思う。アメリカの場合、博士課程は修士課程(博士前期課程)と博士(後期)課程がセットになっており、通常は修士課程後に行われる試験(qualifying exam)をパスしてPhD candidateになるというプロセスがあるため、日本で修士号を持っているから博士課程は3年で良いということはない。そもそも日本のように3年経てば博士号を取れるということもなく、博士号を取るまでの期間は人によって5年~7年程度とばらつきがある。自分が将来やりたいこと、なりたいものが数年かけるほど必要なものなのか、留学前にじっくり考える必要があるだろう。


例えば自分は日本で修士号を取得したが、アメリカでの博士課程を短縮することにはならないので、学部卒でアメリカに留学した人と比べて2年の差がある(2年遅れているとも言えなくもない)。実際には2年生を2回やっているので修士号を取得した時点で25歳であり、そこから博士号を取るのに5年かかれば卒業時には30歳になる。日本で学士・修士・博士号を取得するなら浪人・留年がなければ27歳で取得できるのでそういう人から見れば3年遅れていることになる。自分が30歳になる頃には学部卒・修士卒で就職した友人が6年~8年程職歴を持ち、収入にも大きな開きがあるのではないかと思う。

自分はそういった友人が羨ましいとは思ったことはない。人にはそれぞれの価値観があり、自分は年収やどんな企業で働いているかということが全く気にならない。もし、そういった他人の人生がきになるのであれば、留学はおすすめしないし、留学せずに日本で就職したほうが幸せになれると思う。自分はもう日本企業に入社できるとは思っていない。アメリカなら博士号取得後に企業に入ることは一般的だが日本で博士号取得後に企業に入るとしたら主に研究職だろうし、研究職以外に就こうとしたら博士号のアドバンテージはほとんどないだろう。だから、日本で研究職に就くか、アメリカで企業に入るか研究を続けるんだろうと思っているし、むしろ最初から望んだ道なので困ったりはしていない。

留学志望の人の話を聞くと、中にはもっと別の方法があるんじゃないかと思ったりすることもある。単にアメリカで生活するのが目的であれば日本支社があるようなアメリカの企業に就職して、最初は日本で働きながらアメリカ本社に転職するのもひとつの方法だと思う。選択肢の自由度は低いと思うが、日本企業に入って海外に赴任すれば留学に必要なお金と時間を節約することができる。博士課程の様に5,6年かけなくとも1,2年かけて修士号だけ取得してアメリカの企業に就職する方法もあるだろう。修士課程の場合研究室からお金が出ないかもしれないが、期間が短ければローンや奨学金で乗り切ることもできると思う。そもそも海外生活を経験したいだけなら修士課程や短期留学で十分という人もいるのではないだろうか。

「留学ってすごいじゃないですか。世界中から優秀な人がアメリカに集まってくるんですよ。アメリカの博士号は世界に通用するじゃないですか。」

間違ってはいないが、こういう人は留学という行為自体に憧れているだけの可能性もある。どういった研究がしたいのか、卒業してから何をしたいのかをもっと考えたほうが良いと思う。環境の良さはモチベーションの向上につながるとは思うが、最終的に自分が何をしたいのかがわかっていないとモチベーションは維持できないのではないか。自分が人生で何をしたいのか、どういう生き方をしたいのかをまず先に考え、それを実現するのに留学が必須であれば留学をするべきだと思う。参考資料を以下に掲載するので、そちらも是非ご覧になっていただきたい。


それ本当にやりたいの?
http://yokichi.com/2012/06/post-334.html

アメリカ大学院留学説明会 その2:入学から卒業まで
http://www.youtube.com/watch?v=3dn-RrPsXpQ#t=20m29s


留学する素質がある人とは、周りにやめろと言われても気にしないくらい強い意志をもっている人なんじゃないかと思う。そのくらいの意志があれば能力に関係なく何かしらの方法で留学はできると思うし、留学して何かを得ることができるんじゃないかと思う。

1 件のコメント:

  1. なんか目が覚めた感じがします。自分は学位取るとかよりも、単に語学が好きだし海外に住みたいから大学院留学って思い込んでいたみたい。

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