5/26/2012

ちきりん「世界を歩いて考えよう!」 自分なりの視点で世界を見よう

社会派ちきりんの世界を歩いて考えよう!社会派ちきりんの世界を歩いて考えよう!
ちきりん

大和書房 2012-05-19
売り上げランキング : 84

Amazonで詳しく見る by G-Tools

50ヶ国以上訪れた経験のあるちきりんが様々な国を旅して考えたことを綴っています。

ちきりんといえば月間150万PVを超えるブログで他のブロガーにないような面白い視点・考察を提供しています。しかし前作「自分のアタマで考えよう」は自己啓発的な内容が主体で、ちきりんの面白い考察が少なめでちょっと物足りなく感じていました(仕事の選び方はものすごい参考になったし自殺原因の考察はブログの記事のような面白いトピックでしたが)。今回の書籍もブログとは違うコンセプトでちきりんのブログのような面白い考察が読めなかったら買うのはやめようかと思っていました。で、立ち読みしたらそんな懸念は杞憂だったので、「はじめに」を読んで即購入しました。

個人的には本書のコンセプトは「はじめに」に凝縮されていると思います。海外に行けば日本で経験しなかったような物事に多々出会います。その時に「へぇ~」とか「ほぉ~」とか感心したり、時には憤ったりすると思いますが、ちきりんは更に「なぜそのような現象が起こるのか、なぜその様な経緯に至ったのか」を深く考察しています。そして物事の背景を悟った時、その国の文化をより深く知ることができ、海外旅行がより楽しいものになるのではないでしょうか。このちきりんなりの考察が本書の最初から最後まで詰め込まれており、その点が他の旅行記とは異なっています。

「はじめに」の考察を読んで、自分の海外旅行を思い出しました。今年の3月に台湾旅行に行った時も歩きながら色々考察してたので、ちきりんの旅行しながら考えるという行為に深く共感することができました。具体的にはその時の旅行記を読んでいただけると嬉しいのですが、例えば「なぜ町中の建造物は黒ずんでいるのか」「なぜマスクをつけている人が多いのか」と考えた時に、どちらも自動車・バスの排気ガスが原因なのではという答えに至ったりする。そういうふうにガイドブックに載っていないようなことを色々考えるのは非常に面白いことだと思います。



私はいつも他人と違う視点をもち、なるべく深い考察ができるようにしたいと考えています。これは研究活動のためというのもありますが、他人が思いつかないような事を思いつくのは単純に楽しいと思っているからです。海外に行くとそういった考える材料がたくさんあるということを知らせてくれるという意味で本書は自分の中でとても意味のあるものとなりました。

本書は単に旅行記としても楽しめるのですが、やはりちきりんなりの考察が非常に面白いです。例えば各国のお札にはどのような人物が用いられているのかを分類して考察した話は他の人にはなかった視点だと思いますし、様々な国の美術館がどのようなものをどのように展示しているのかというテーマに着目し、ちきりんなりの意見が述べられているのも興味深かったです。ひとつのテーマについて様々な国を比較するというスタイルは50ヶ国以上を旅したちきりんだからこそできることだと思います。

本書を読んで「ほぉ~ちきりんはこんな事考えているのか~」と思うのもひとつの楽しみ方ですが、「今度は自分で行ってみて、自分なりに色々考えてみよう」というように仕向けるのがちきりんの意図ではないのかな、と思いました。ちきりんはブログで時折「私のブログを読んでいる人は、自分のアタマで考えることが好きな人なので、ここから先は自分で考えてね。そんじゃーね!」と自分の意見を敢えて述べないこともありますが、私はちきりんのブログを読んでいる人は別に自分で考えることが好きではないと考えています。ブログの読者には自分で考えるのが面倒だから自分よりもアタマの良い人の答えを知りたがっているという人が結構いるのではないでしょうか。確かにちきりんの着眼点はいつも非常にユニークで本書もちきりんの面白い考察がいくつも並べられていますが、これはちきりんの視点であって、やはり自分なりの視点を持って旅行先を見るほうが楽しいのではないかと思います。ちきりんは雄大な自然よりも歴史を感じるものの方がお好きなようで、ちきりんとは違った好みを持っている人もたくさんいると思います。私は歴史に疎いですし理系ということもあってちきりんとは違った視点から海外を見ることができると思います。

「自分のアタマで考える」とはどういうことか知りたい人、単純に海外のおもしろエピソードを読みたい人、勿論ちきりんのブログのファンにも、強くおすすめします。

0 件のコメント:

コメントを投稿