11/20/2011

東大生が英語ペラペラなわけがない

以前森精機の社長が東大で講演したのを聴いたことがあるのだが,「東大なんて入っても良い事なんてひとつもありませんよ.」と仰っていたのが印象的だった.ちなみに社長は東大の大学院で博士号を取得している.ひとつもいいことがないというのは言いすぎだと思うが,東大というだけで偏った見方をされたりする経験は何度もあるので完全に間違っているわけではないと思う.優秀な友人と切磋琢磨できる,世界レベルの研究を行なっている研究室がいくつもある,希少な装置を使用することが出来る等,東大のメリットを十分に活用すると東大に入った意味はあると思う.しかし,京大や早稲田や慶応といった他のトップクラスの大学とは大差ないのに東大だけとりわけ嫌われているような気がして損した気分になることはよくある.

東大に対する偏見の話は以下の記事が良くまとまっている.


東大生の定義は「日本で比較的試験問題を解くのが得意な人の集まり」であって,それ以上でもそれ以下でもない.「コミュニケーション能力が低い」といった大部分が当てはまるような要素もあるが,そういうのは副作用であって,試験問題ができるかどうかでふるいにかけられて残っただけの人達というのが(一部の院試を除いて)全ての東大生に共通する点だ.それなのに「何でも出来る人」だとか「何かとてつもない能力があるんじゃないか」といった間違ったイメージがあるから実際に見た時に「なんだ,大したことねぇじゃん」となる.まるで世間が勝手に作り上げた東大生像を演じないといけないみたいでなんだかなーと思ったりする.


ただ,東大生は比較的試験が得意と言っても例外がある.例えば,英語嫌いな東大生は本当に多い.TOEFLiBTで半分(60点)行かない学生なんてそこらじゅうにいる.英語嫌いで単に勉強していないから高得点が取れないというのもあるのだが,主たる理由は「学校教育では基本的にリーディングしかやらない」ということだと思う.TOEFLiBTはリーディング,リスニング,スピーキング,ライティングが30点ずつだから,リーディングだけで高得点を取っても他の項目ができないと全体で高い点数は取れない.センター試験でライティングやスピーキングの問題が出ることはないだろうから,中学や高校は今後もリーディングとリスニングしかやらないのだと思う.だから,今の学生は自分で勉強するしか無い.

東大生でもしんどい試験,それがTOEFLiBTやIELTSというわけですよ.「留学にTOEFL100点必要で大変なんですよー」とか言うと「(東大生だから)すぐ取れるでしょ」とか言っちゃう人も居たりする.いや,問題見てから言ってよ...ホントにしんどいからさ...あとは「え,東大生って英語ペラペラなんじゃないんですか」みたいなこと言う人もいるけどそんなはずがない.中高で同じ様な教科書使ってたと思うんだけどなぁ.スピーキングなんて大学入試に必要ないから勉強しないし.英語に苦しんでるのは皆同じだってば.

とはいえ,今の状況のままで良いとは思ってないですよ.日本の教育をおそらく最も全うしてきた東大生がまともにライティング・スピーキングできないという状況は変えていかなきゃいけないと思ってますよ.一流の大学は入試にガチのライティングやスピーキングを取り入れるくらいやらないと将来仕事で英語が必要になる人達が苦労することになる.でも大学入試ではライティングやスピーキングの能力を見るのは難しいから(英語の試験をTOEFLにしちゃえばいいのにとは思うけど)やはり大学に頼らず自分で自発的に英語を勉強する必要があるように思う.東大にはESSやTEDeeといった英会話サークルもあるし,International Friday Lounge (IFL)という英会話のセッションを大学が開催したり,英会話の講義というのも存在する.ただ,必要に迫られないからそういった活動に興味を持っているのは現時点で全体の数%くらいかなという気がする.

(IFLについて詳しく知りたい方はこちらの7ページをどうぞ)

以前初対面の人に大学名を訊かれて「東大です」と答えたら「俺東大生嫌いなんだけど」と敵意むき出しでかかってこられたこともあった.でも何日か交流しているうちにその人とは仲良くなった.東大生が嫌いなんじゃなくて単に学歴に対するコンプレックスがあるだけだったんじゃないだろうか.東大生には何の罪もないのにそのやり場のない怒りをぶつけてしまっているだけなんじゃないだろうか.この件があってからは東大に偏見を持つ人にも逃げずに向き合おうと思うようになった.

これからも誤解を解く作業を何度もやるんだろうなぁ.

0 件のコメント:

コメントを投稿