1/30/2011

留学の不安要素2:年齢

留学に興味のある人の中には年齢を気にする人がいると思う.自分もそんな状況におかれている一人で,現在24歳の修士1年だから2012年春に修士号取って2012年秋(26歳)から留学したら博士号を取るのは30歳超える.これを周囲に説明すると結構引かれる.「え?30で学生...」みたいなリアクションを取られる.自分はそういわれるのには慣れたし年齢のことは全く気にしていないけど,年齢の問題もクリアしないと日本人の留学生は増えないんじゃないかと思うのでポストしてみる.



●アメリカの博士号は取得に5年かかる
基本的に日本で修士号を取ったかかどうかアメリカの大学院でのカリキュラムに影響しない.最初の2年(修士課程相当)で授業を取ってqualifying examを受けてやっと研究に集中できるようになる(博士課程相当)ので最初の2年間もその大学院でやらないといけない場合が多い.他校で取った修士号を認めて3,4年くらい研究だけすればいい大学もあるけどトップクラスの大学ではおそらく認めていないと思う.こういう事実があるので自分は学部卒でアメリカの博士課程に入りたかったが,色々と間に合わなかったので修士号を取ってから行くことにした.でも(日本)企業に入りたい人には学部卒で留学することを強くお勧めしたい.学部卒(22or23歳)なら海外で修士号を取っても24-25歳,博士号でも27-28歳くらいである.これなら日本で修士号博士号取る年齢と変わらないので採用の幅が広がると思う.

●日本は最も年齢を気にする社会?
日本人が年齢を気にするのは新卒一括採用があるからだろう.終身雇用,年功序列を守る企業では,正社員は退職するまで留まると見なされるから何年に何歳で入ったかが重要となる.この慣例がある限り年齢を気にする社会はなくならないが,何回も転職できるように日本企業が変化し,年齢よりも能力だけで判断されるような社会が来るのは当分先だと思う.外資系企業は日本企業ほどには気にしなく,博士卒にも寛容だから,そういった企業に入りたいのであれば問題は全くないと思う.「年齢を気にするのは日本くらい」というのを示す一例としてグラフを作ってみた.データの出典は文部科学省「教育指標の国際比較」(平成21年版).ちなみに理系(農学,工学,理学,あるいはそれらの合計)についてのグラフで,日本とアメリカは2005年,それ以外は2006年のデータである.自分からはこんなデータくらいしか見せられないが周囲の人に聞けば海外では博士卒でも企業は受け入れるという意見が得られるはずだ.日本に来る留学生と話をすると博士卒でも問題ないという話はよく聞く.







●長期的な利益を考えるしかない
これからは日本企業も博士卒を必要としたり,年齢に依らず能力で採用したり,中途採用を増やしたりするようになると思うが,それには時間がかかるので今後数年間で留学する人はその恩恵を受けることはないと思う.だからもっと長期的なメリットを考えるべきである.ぶっちゃけ具体的に説明しているブログがあるのでそちらを見ていただければ十分だと思う.個人的には目先の未来よりも自分が40,50になった時のことを考えて行動すべきだと思う.自分を鍛えて40,50でも必要とされる人間になるにはどうすれば良いかを考えずに短期的な利益だけを見て企業を選ぶとポテンシャルを伸ばさなきゃいけない貴重な20代を棒に振る可能性がある.今後は日本企業の正社員だって転職するような社会になる.それならば20代で如何に自分を鍛えるかを重視した方が良い.博士課程に行くのは一つの選択肢になりうる.特に海外の大学の博士課程で鍛えることで日本の大学以上の付加価値(語学力や国際感覚)を得ることができるかもしれない.勿論日本の大学でも努力すれば海外と変わらないと思うが採用する側としては世界的に有名な大学というステータスがあれば採用される確率は高まるかもしれない.

日本や世界が変わろうとしているこの時期に,如何に将来を見据えて動くことができるかがカギとなる.それを考えれば周囲よりも就職が遅れることなんてほんの些細なことだと思う.とはいえ,日本企業の雇用体系が変わらない限り,年齢に対する意識は変わらなさそうだ...

3 件のコメント:

  1. 現在43歳でこの春から学校に戻り国内のM1に在籍するものです(数学)。会社を辞めて大学院に来たのだから、行ける所まで頑張ろうという気持ちはあるのですが、日本国内での再就職は年齢でまず無理でしょう。むしろ2年後にはアメリカのPhDに挑戦したいと考えています。
    そこで2つ質問があるのですが、まず45歳という年齢でTOP20のスクールに入学可能でしょうか? また、首尾よく50歳で学位を無事取得できたとして、そこからアカポスに就ける可能性はどれくらいあるのでしょうか。ちなみに英語は仕事で使っていたので、意思疎通には問題のない程度です。

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    1. コメント有難うございます.

      あくまで留学経験のない修士課程の学生の意見として受け止めていただければと思います.

      30代でPhDコースに在籍している人がいるという話は聞いたことがありますが40代は聞いたことがありません.留学している方だとそういった方をご存知かもしれません.日本の大学で優秀な成績を収める、教授に直接交渉してみる,授業料を自分で賄うなどの努力があれば入学できるのではないかと個人的には思います.日本でなくてもアカポスだと年齢的な制約はあると思います.

      アカポスにも色々あると思いますが,テニュアを得るにはポスドクとして研究する期間やテニュアトラックの期間もありますので,50歳からテニュアトラックに入ることはないかもしれません.在学中にとてつもない成果を出すか,自分のネットワークを上手く利用するか,何か普通の人がやらないことをする必要があると思います.

      数学科でアカポス志望という意味ではWillyさんのブログが参考になるのではないかと思います.
      http://wofwof.blog60.fc2.com/blog-entry-405.html
      http://wofwof.blog60.fc2.com/blog-entry-265.html

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  2. ありがとうございます。
    やはり年齢制限ないとはいえども、度が過ぎるのはNGということかもしれませんね。また可能か不可能かと論じるには、そもそもそういう道を選ぼうとする人のサンプル自体が少なすぎるかもしれません。
    Willyさんのブログも参考にさせていただきます。
    shirotayama様はぜひチャンスがあれば海外に出られて、研究を頑張ってください。

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